ケアプランとは?GPで作成してセラピーをMedicare補助で受ける方法を解説

Miwa

ケアプラン(Care Plan)とは?
――GP Management Plan / Team Care Arrangement 教科書

オーストラリアのMedicare制度で、慢性的な支援が必要な人が、連携した医療・療育サービスを計画的に受けるための仕組み。

1. 定義と目的

GP Management Plan(GPMHP/GPMP)
GP(かかりつけ医)が、慢性・長期の健康課題に対する支援計画を作成し、必要なアライドヘルス(ST/OT/心理/理学療法など)へつなぐ計画書。
Team Care Arrangement(TCA)
複数の専門職(例:ST+OT+心理)が継続的に関わるケースで、役割分担・連携方法を明記する追加計画。
ポイント:ケアプランは「診断名の有無」よりも、6か月以上継続する(見込みを含む)支援ニーズが鍵。年齢は問いません。

2. 対象(誰が使える?)

  • 発達の遅れ・ことば/コミュニケーションの課題(例:語彙の遅れ、吃音 など)
  • 自閉スペクトラム症、ADHD などの診断がある場合
  • 読み書き・感覚面の困りごと、学習や生活への影響が継続している
  • 長期的な療育/リハビリ支援が必要とGPが判断する状態

※判断主体はGP。教員・療育スタッフの意見書やレポートがあると説明がスムーズです。

3. 作成の流れ(実際のステップ)

  1. GPに予約ケアプランを作成したいと伝え、長めのアポイント(Long Consultation)を希望。
  2. 状況の共有:困りごと、目標、希望するサービス(例:スピーチセラピー)を説明。
  3. TCAの要否確認:ST+OT など複数職種が継続関与するなら、TCAも同時作成を依頼。
  4. 紹介状の受領:希望プロバイダー宛のリファラルを受け取り、予約へ。
受診前に準備すると良いメモ
・心配な場面(家/園/外出)・頻度・期間 ・これまでに試した支援 ・目標(例:要求語の定着)
・関係者のレポート(園からの観察、前回評価の結果 など)

4. 受けられる支援と回数

  • スピーチセラピー(言語療法:Speech Pathology)
  • 作業療法(Occupational Therapy)
  • 心理士(Psychology)
  • 理学療法(Physiotherapy) ほか

年間最大5回アライドヘルス全体の合計)。例:OT 3回+ST 2回 などの組み合わせ可。

5. 費用と支払い(ギャップ料金)

多くのプロバイダーは、Medicareの還付(rebate)を差し引いた残額(ギャップ)を支払います。

  • 完全バルクビリング(自己負担なし)の場合あり
  • ギャップ料金の目安:$20〜$80程度(事業所により異なる)

※料金・請求フローは事前に各プロバイダーへ確認しましょう。

6. ケアプラン vs メンタルヘルスケアプラン

項目ケアプラン(GPMP/TCA)メンタルヘルスケアプラン(MHCP)
主な対象発達・感覚・身体・言語などの長期支援感情・行動・不安・心理面の支援
主なサービスST, OT, PT, 心理 など心理士カウンセリング など
年間回数最大5回(合算)最大10回(時期・政策により変更されることあり)
併用目的が異なれば併用可。ただし同一セッションに別制度を同時適用は不可

※最新の回数・適用条件はGP/政府サイトでご確認ください。

7. よくある質問(FAQ)

Q. ケアプランとNDIS/民間保険は同時に使えますか?
A. いいえ。1回のセッションにつき使える制度は1つです。別日・別サービスでの使い分けは可能です。

Q. 学校の先生に勧められました。子ども不在でもGPに相談していい?
A. はい。保護者のみでの受診でも問題ありません。状況を整理してGPに伝えましょう。

Q. 有効期間は?更新は?
A. 原則1年有効。継続支援が必要な場合は再評価のうえ更新します。

まとめ

ケアプランは、「長期にわたり支援が必要」なケースで、ST/OT/心理などの連携支援を計画的に・費用負担を抑えて受けるための制度です。まずはGPに相談し、現状と目標を共有しましょう。小さな一歩が、日常の「できた」を増やします。

※本記事は一般情報です。制度は変更される場合があります。最新の要件や回数・費用はGP/各機関へご確認ください。

ABOUT ME
Miwa
Miwa
Speech Pathologist
オーストラリア在住、スピーチパソロジスト(言語聴覚士)で1児の母、Miwaです。 このブログでは、 海外で育つ子どものことばの育ち バイリンガル環境での発達のサポート方法 家庭でできる遊びや関わり方 AACの導入と活用のヒント を、専門家としての経験と海外生活での実体験を交えてお届けします。 また、マンスリー動画レッスンや電子書籍・ワークブックなど、家庭で使えるデジタル教材も準備中です。 言葉の発達やバイリンガル育児に不安を感じる方が、安心してお子さんと向き合えるよう、これからも情報とサポートを発信していきます。
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