バイリンガル子育てをしていると、「家でどの言語をどんなふうに使えばいいの?」という悩みを持つ方が多いです。
子どもの言語発達を支えるには、家庭内での言語使用についてある程度ルールを決めることが効果的です。
この記事では、代表的な言語使用ポリシーを紹介しながら、ご家庭に合った方法の選び方を考えていきます。
よく使われる言語使用ポリシー
1. One Parent, One Language(ワン・ペアレント・ワン・ランゲージ)
一人の親が一つの言語を担当する方法です。
- 例:お父さんは英語だけで話し、お母さんは日本語だけで話す。
- メリット:言語が混ざりにくく、子どもが自然と両言語に触れられます。
- 注意点:家庭内でバランスよく言語に触れられるよう意識が必要です。

2. Place and Time(場所や時間で分ける)
話す言語を時間帯や場所で分ける方法です。
- 例:家では日本語、学校や遊び場では英語。あるいは、平日は英語、週末は日本語など。
- メリット:ルールが柔軟で生活に合わせやすいです。
- 注意点:大人がしっかりルールを守ることで効果が出やすくなります。
3. Minority Language at Home(家庭では少数言語)
家庭内では地域社会で使われていない少数言語を使う方法です。
- 例:海外在住の日本人家庭が、家の中では常に日本語を使う。
- メリット:少数言語を維持・強化しやすくなります。
- 注意点:社会で使う言語への接触が必要なので、外の環境での補完が重要です。
どのポリシーを選ぶとよい?
どの方法が正解ということはありません。ご家庭の状況やお子さんの性格、両親の言語能力などを考慮して、柔軟に決めていきましょう。
決めるときのポイント:
- 家庭の中でどの言語を一番使いやすいか?
- 子どもが学校でどの言語を使っているか?
- 将来的にどの言語を伸ばしたいか?
- 家族全員が無理なく続けられるか?
一度決めたルールでも、必要があれば見直してOKです。子どもの反応や成長に合わせて柔軟に変えていくことも大切です。

まとめ:言語は「環境」で育つ
バイリンガルに育てるには、日々の「ことばの環境」がとても大切です。決めたポリシーを家族みんなで楽しく実践することで、子どもは自然に言語を吸収していきます。無理のない範囲で、でも少しずつ意識を持って、お子さんの言語環境を整えていきましょう。
子どもの言葉に関するお悩みがある場合は、言語聴覚士や専門家への相談もおすすめです。
この記事が、ご家庭の言語使用について考えるヒントになれば幸いです。
ABOUT ME

オーストラリア在住、スピーチパソロジスト(言語聴覚士)で1児の母、Miwaです!
このブログでは、
海外で育つ子どものことばの育ち
バイリンガル環境での発達のサポート方法
家庭でできる遊びや関わり方
AACの導入と活用のヒント
を、専門家としての経験と海外生活での実体験を交えてお届けします。 言葉の発達やバイリンガル育児に不安を感じる方が、安心してお子さんと向き合えるような情報とサポートを発信していきます。