オーストラリアのメンタルヘルスケアプランとは?GPでの手続き方法・カウンセリング費用も解説

オーストラリアで「心の不調」を感じたとき、どこに相談すればよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。
そんなときに活用できるのが、メンタルヘルスケアプラン(Mental Health Care Plan / MHCP)です。これは、GP(かかりつけ医)の診断を受けることで、心理士のカウンセリングにMedicareの補助を受けながらアクセスできる国の制度です。
この記事では、MHCPの使い方・対象者・補助回数・申し込みの流れ・費用など、はじめての方にもわかりやすく解説します。
このページでわかること
- 制度の定義と目的
- 対象(どんな人が使える?)
- 補助回数と受けられる支援
- GPでの申し込み方法(ステップ)
- 費用・リベート・Safety Net
- よくある質問と注意点
- 関連ガイド
1. 制度の定義と目的
Mental Health Care Plan(MHCP)は、GP(かかりつけ医)による評価と計画にもとづき、心理士などの専門職による治療をMedicareの補助を受けながら進める仕組みです。
「Better Access」という国のプログラムの一部として提供されています。
2. 対象(どんな人が使える?)
- 産後うつ、不安症、パニック、不眠などの症状がある
- ストレス、怒り、孤独感などで生活に支障が出ている
- カウンセリングを受けたいが、費用が不安
※年齢・性別は問いません。まずはGPが必要性を評価します。
3. 補助回数と受けられる支援
個別カウンセリング
年間最大10回までMedicare補助対象
(初回最大6回 → GPレビュー後に4回追加)
グループセッション
年間最大10回まで別枠で補助(家族・カップル療法は除外)
対象職種:臨床・一般心理士、作業療法士、ソーシャルワーカーなど(GPの紹介状が必要)
4. GPでの申し込み方法(ステップ)
- 「MHCPの相談をしたい」と伝え、Long consultationを予約
- 最近の気分・睡眠・不安・生活状況をGPに共有(問診票の場合も)
- 必要と判断されればMHCPを作成
- 紹介状に記載された心理士へ予約。初回終了後はGPでレビューを受ける
※受診前に「困りごとが出る場面・頻度・希望する目標」などをメモしておくとスムーズです。
5. 費用・リベート・Safety Net
料金はクリニックごとに異なりますが、多くはMedicareリベート後の差額(ギャップ)を自己負担します。
- リベート申請方法
・受付での即時処理
・Express Plus Medicareアプリ
・myGovからオンライン申請
・郵送または窓口持ち込み - Safety Net(高額医療補助)
家族で登録すれば年間自己負担が合算され、一定額を超えるとリベート額が増加することがあります。
▶︎Medicare Safety Net についてはこちら - 併用不可
1回のセッションに複数制度(Private保険、NDIS、Medicareなど)は同時使用できません。
※領収書・明細は必ず保管しておきましょう。
6. よくある質問と注意
Q. 年間何回使える?
→ 個別:最大10回(初回6回+レビューで4回)
グループ:別枠で最大10回
Q. どんな心理士を選べばいい?
→ 産後・子育て・トラウマなど、専門分野に応じて選ぶと安心。GPに相談を。
Q. 英語が不安な場合は?
→ GP受診時には、TIS Nationalという無料通訳サービスが利用できます。予約時に伝えましょう。
Q. プランの有効期間は?
→ 年度(カレンダーイヤー)で最大10回まで。回数消化後は、GPでレビュー・更新が必要です。
7. 関連ガイド
- 【2025年版】Medicare rebateの申請方法|自分で?クリニック任せ?
- オーストラリアにも高額医療費制度がある?Medicare Safety Netのしくみ
- ケアプラン(GP Management Plan)とは?ST/OT/心理の連携支援
筆者メモ(産後うつの体験より
「これくらいで相談していいのかな…」という迷いがあっても、話してみるだけで気持ちが軽くなることがあります。
評価ではなく支援のための仕組み――それがMHCPです。小さな一歩が、その後の生活を支える土台になりました。






